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2008年12月 5日 (金)

家計収支表

 債務整理をする場合、債務額の確認と平行して収入と支出から依頼者の返済能力を確認する必要があります。収入から最低限必要な支出を引き、残ったお金が返済に充てることが出来ますので、任意整理や特定調停で解決できるのか、破産や民事再生を選択するのかを判断する材料になります。収入の判断は簡単ですが支出に関しては現実の支出を正確に把握する必要があります。
 この毎月の収入と支出を表にしたものを家計収支表といいますが、バランスシートのように左右に分かれた表で、左側に先月の繰越金とその月の給与等の収入を記載し、右側にその月の各支出を記載したものです。

 ほとんどの依頼人は家計簿を付けていません。ですから、家計収支表を作ってもらっても支出の正確な数字を把握していませんので想像を交えて作られており実際とはかけ離れた数字で作られてきます。何度も作り直してもらいますが、日々現金の管理をしていないために家計収支表に表れた繰越金と現在手持ちの現金に隔たりがあり、ただ形式的なだけの家計収支表になっていますのでそこから家計の状態が把握できません。
 個人民事再生の申立をする場合は厳密に家計収支を把握しておく必要があります。私個人としましては、依頼人が返済していくという意気込みは理解できますので何とかしてあげたいのですが、裁判所や再生委員は提出された過去の家計収支表から再生計画の遂行が可能かどうかを判断しますので、書類作成を手伝う司法書士としても依頼人が100%再生計画を遂行できると確信する必要があります。

 どのようにしたら面倒な手間を掛けずに依頼者が家計収支表が作れるかをいつも考えておりました。そこで思いついたのが、おおまかに支出を「使い切り予算」と「その他」に分け、別袋(財布)にして管理する方法です。食料品や日用品のように月に何度も消費する分を一つ一つ計算してその月の額を計算するのは容易ではありませんから、これらは一括りの予算として別の袋に入れて消費を記録する必要はありません。
 最初に、家計収支表を作る一ヶ月の期間を決める場合は、漠然と1日から始めないで給料日を初日にして一ヶ月間を定めます。
 給料日前日の現金を、家計収支表の繰越金に記載します。
 支出をわかりやすくするために支出を四つに区分し、最初に一ヶ月分の小遣いを取ります。次に、袋を三つ用意して、まず一つを「食費」用の袋にして一ヶ月分を入れます。二つ目を「日用品」の袋にして日用品や被服費等一ヶ月分を入れます。そして、三つ目の袋に残金を入れます。
 小遣い及び食費並びに日用品は最初に家計収支表に記載し、各袋の範囲内で消費するように心がけ、どうしても不足する場合は三つ目の袋から一定額(千円単位)を支出し家計収支表の記載を修正しておきます。
 三つ目の袋に入れたお金は電気代や電話代等の一ヶ月に一度支出する費用に充てますから、支出の都度家計収支表に記載します。
 一ヶ月が経ち、「食費」用の袋と「日用品」の袋に残ったお金は家計に戻さずにそのまま次の月に持ち越したり予備費として別の袋を用意して入れるなりしてて下さい。給料日前日の現金を新たな家計収支表に記載して二ヶ月目が始まります。前月の実績から、食費及び日用品の額が予算額から増減するようであれば、翌月から千円単位で修正して額を決めて下さい。
 このようにして家計収支表を作成していけば、その家庭の経済状態がよく見えてきます。毎月の余剰がほとんど無いかマイナスであれば破産申立を選択せざるをえませんが、余剰があればその額に応じて選択肢が広がります。また、自分の収支を知ることは、今後の計画的な消費につながっていきます。

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